写真展 European Eyes on Japan / Japan Today vol.9 プレイベント参加者の声

●写真展を支えてくれた人たち

4月8日から20日まで鹿児島市立美術館で開催された
写真展「日本人に向けられたヨーロッパ人の眼 ジャパントゥデイvol.9」の、
会場管理は私たちPandAが担当しました。
そこでは多くのボランティアに参加してもらい運営されましたが、
4名のボランティアスタッフに、その経験を振り返っていただきました。


参加してホントによかった!

 徳永裕樹

「アートを通じて人と人との繋がりができるんだ」

徳永裕樹(鹿児島市在住) アーティストは哲学者である。
そう思ったのが4月5日にあった作家、キュレーターを交えた
写真展の前に開催されたセミナーの感想だ。
彼らは常に何かを考えているみたいだ。

セミナーでも、彼らは自分の撮った写真を通じて、
“私はこう思っている 私はこう考えた”と発言する。
写真とは彼らにとって発言するツールなのかもしれない。

もちろん私には、あまりにも無知で未熟者なので
彼らの考えをカンペキに理解することは難しかったが、
やはり、アーティストは哲学者で、
アートは国、人種にとらわれない”発言”を
可能にするものだと感じた。

さて、4月8日開催初日、美術館に展示された作品を
作家が自ら解説するアーティストトークに参加した。
訪れた人たちも熱心に聴き入っていた。
作家に質問タイムがあり、テツガクテキな事から
“歳はいくつか”まで幅広い質問が飛び交っていた。

ここでも作家もみな写真を前に発言しあってる。
こんなにも人それぞれ発言があるのかと、
私も夢中になって聞き入っていた。

私も写真とは関係ない
“好きなミュージシャンは?”などと質問してしまったら、
なんと私と好きなミュージシャンが一緒で、一気に話が盛り上がり、
身振り手振りを交え、イントロを口ずさんでみたり、
個人的には1番楽しんでしまったかも知れない。
(音楽も国境、世代も超えてスバラシイ!)

展覧会期中もボランティアで参加して、
ものすごく充実した日々を送ることができた。
そしてなにより、アートを通じて人と人との
繋がりができるんだと思った。

どうもありがとうございます。
参加してホントによかった!

TOPへ

 久永朋靖

「さまざまなモノの見方、考え方を学びました」

久永朋靖(鹿屋市在住) 朝の寒気も和らぎ心地良くなってきた土曜日の早朝、
私は、かごしま県民交流センターに出向きました。
でも、目的は、「日本人に向けられたヨーロッパ人の眼」ではありませんでした。
別のシンポジウムへ参加し帰宅しようとしていたときに、
偶然にも、この企画を目の当たりにした。
数日前参加したセミナーで”キャリア理論”によれば、
「キャリアの80%は予期しない偶然の出来事」という話を耳にしたため、
“偶然”を期待し、
「日本人に向けられたヨーロッパ人の眼」のセミナーに
飛び入りで参加することにしたのです。

会場には、写真家であるニク氏、スティーブン氏をはじめ関係者の方々や、
高校生、一般の方が真剣な表情で写真家の作品の説明に見入っていました。
普段、写真とは、かけ離れた生活をしている私には、
異国の地に紛れ込んだような感覚であったことを記憶しています。
最後に、この企画である「100倍楽しんで」の意味を知りました。
今回の企画にボランティアとして参加してみませんか?とのこと。
通常、見ることのない写真展の裏舞台を覗けるということです。堂々と。
私は迷うことなく参加の決断を下しました。

ボランティア初日は、右も左もわからずオドオドしてばかり…。
お客様からどんな質問をされるかという不安に駆られていました。
しかし、スタッフの方々にアドバイスをいただき、
いかに、お客様が写真展を通して、”鹿児島”を見つめ直すきっかけになるかを重点におき、
自分なりにサポートできたのではないかと思いました。

私は4日間、ボランティアとして、この企画に携わってまいりました。
もちろん作品も毎日、目を通すのですが、4日間ともそれぞれ違う印象を受けました。
その中でも、一番印象に残っている出来事は、ボランティア4日目。
「こんな作品あったっけ?」と…。
自分のバイオリズム、感情の変化により、見ていたはずの作品も、
本当は見ていなかったのかなと不思議な体験も経験させていただきました。
と同時に、日々見ていたはずの”鹿児島”(生まれ育った愛着のある地)も、
本当は見ていなかったのかなと…。改めて考えさせられる写真展でありました。
3人の写真家が伝えようとしていたものは、そこにあったのかもしれませんね。

今回の企画を通じて、老若男女問わず色々な方々と接し、
さまざまなモノの見方、考え方を学びました。
短い期間ではありましたが、とても充実した日々でした。
今回のボランティアをきっかけに積極的に色んな活動に参加しようと思います。
やはり、”キャリア理論”は正しかったようです。
“偶然”とは”必然”なのかもしれませんね。
参加してホントによかった!

TOPへ

 山口つぐみ

「身近すぎて見過ごしてきた、たくさんの出会いに感謝」

山口つぐみ(松陽高校美術科2年) 私は、写真が好きだ。
なぜ、写真がすきになったのだろう、、、。
それは自分を表現するのに
一番ぴったり合っているものであるからだと思う。

この写真展で、写真はやっぱり心で撮り、
心で視て感じるものであると改めて実感した。
つまり、自分や自分の気持が移り込むものであると思う。

この写真展にボランティアスタッフという形で関わって、
役に立てたということより、本当にたくさんのことを学ばせてもらい、
吸収させてもらったという気持になった。

そして、なによりも、
そこには普段の生活では身近すぎて見過ごしてきた、
たくさんの「出会い」があった。
すばらしい写真との出会いがあり、
それを作った作家さんとの出会いがあり、
写真展に関わっている人との出会いがあった。
忘れかけていた、心温まる「出会い」という
大切なものを思い出させてくれた。

ボランティアとは、一般的に人のために
するものだと思っている人が大半だろう。
でも、自分のためになること、
新しい自分に気づくことができる成長の場であると思う。
たった二日間のボランティアだったが、
私にはたくさんの発見があった。

このような機会を与えてくださった方に心から感謝します。
参加してホントによかった!

TOPへ

 黒木麻衣

「新たな発見があり、よい刺激になりました」

黒木麻衣(松陽高校美術科2年) 私が今回の写真展のボランティアスタッフとして
活動するきっかけとなったのは、
写真展の始まる前に行われたセミナーへの参加でした。

そこでは、作家さんたちの作品を見られたり、
今までの創作活動を説明してもらえたり、
とても貴重な体験ができたのです。
プロジェクターに映し出される素敵な写真に深く感動しながら、
私は「もっと、この写真展に関わってみたい」と強く思いました。

ボランティアスタッフとしての仕事は、そんなに難しいものではなく、
大好きな写真をずっと見ていられたので、とても楽しかったです。
とくに、作品に傷やホコリが付いていないかチェックするときは、
普通に鑑賞者として作品を見るより、ずっと近くで、
かつ、長い間写真を見られたので嬉しかったです。

それに、遠くからでは気づかなかった新たな発見もありました。
いつもとは違う観点から作品を見て、すごく新鮮でした。
いつもはお客さんとして来る展覧会を、スタッフとして関わることで、
より一層楽しむことができたと思います。
また、鑑賞しているお客さま一人一人の表情を見ていたら、
写真と同じくらい面白かったです。

この写真展に関わったことは、私自身にすごく良い刺激になりました。
プロの作家さんたちの価値観や考え方に触れ、
スタッフさんたちの仕事ぶりなどを間近で見ることができ、
とても充実した約2週間でした。
美術は人と人との関わり合いで成り立っていることを実感しました。
これからも美術を通じてたくさんの人と繋がっていきたいと思います。
参加してホントによかった!

TOPへ